三和電気計器 SANWA P-2


2015.4.8 2015.4.6初版

三和電気計器 SANWA P-2 1963年製

その昔、アマチュア無線の送信機や受信機など、他にアンプなどを自作していた時代に活躍していたテスターです。
当時は真空管が全盛でしたから、感電するような電圧が相手でして、測る部品などもどれも重たく大きなモノばかりでした。
そのテスターが、何十年ぶりに納屋から出てきました。
経年変化でしょうか、テスター棒のプラスチック部分が変型しています。
それでもメーターはちゃんと振れ、そこそこの精度で機能しています。
酷使されたせいか、針が直線ではなく微妙に波打っているので、(苦笑)
測定したいレンジ毎で始点を合わせないイケナイ煩わしさがあります。
まぁ、 分解して針を伸ばさせばピーンと直線になりそうですが、そこまでやる必要もないです。

※ AC電圧が若干低め(101v→96v、誤差約5%)ということで亜酸化銅整流器の劣化?があるかもしれません。
ショットキーダイオードに交換すれば数値があってくるかも?


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三和電気計器 SANWA P-2
SANWA_P-2_01.jpg

目盛り盤の右下に記録されている文字から1963年製と読めます。
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SANWA_P-2_03_s.jpg


内部の部品配置 亜酸化銅整流器が使われています
ハンダ付けには天ぷら気味だったり芋ハンダが散見され、製造品質はよくないです。
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SANWA_P-2_04_s.jpg


三和電気計器 P-2 取扱説明書
manual.jpg
三和電気計器 P-2 取扱説明書の裏表紙
manual2.jpg
 ※ P-2は小金井工場でつくられたとあります。

マニュアルから回路図と仕様を引用します。
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P-2fig_s.gif


【 仕様 】
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spec_s.gif

メーター感度310μA
測定範囲
交流電圧(ACV)10−50−250−500−1,000
  内部抵抗(1KΩ/V)10KΩ 50KΩ 250KΩ 2500KΩ 1MΩ
直流電圧(DCV)10−50−250−500−1,000
  内部抵抗(1KΩ/V)10KΩ 50KΩ 250KΩ 500KΩ lMΩ
直流電流(DCmA)1−250
抵  抗(Ω)10Ω〜10KΩ lOOΩ〜100KΩ
         (Ω×10) (Ω×100)
  中心目盛値   250Ω    2.5KΩ
  内蔵電池 単3号乾電池(1.5V)×1
デシベル(db)   −20〜+22  +20〜+36
高  抵  抗(MΩ)  0.01〜10
キャパシティ(μF)   0.0002〜0.05 0.01〜2(外部電源使用)
インダクタンス(H)  10〜500(外部電源使用)

誤  差
ACV      定格値(最大目盛値)の ±4%
DCV及びD・CmA       "    ±3%
Ω        全目盛長の      ±3%

出力(db)の測定
差し換えリード(−)をA.C10Vレンジに差し前記出力電圧の測定と同じ要領で測定しdb値を求めます。アンプや伝送回路では入力に較らべ出力が何倍になるか或は何分の一になるかと云う事が問題になります。
これをその儘(じん)電圧や電流或は電力の比で表わす事は計算上端数が出たりして不便な事も有りまた人間の耳の感覚が対数に比例して感じるので一般に(電圧)電流比や電力比を対数で表わす事にしています。この単位がデシベル(db)でインピーダンスが一定の場合は単に電圧(電流)比をdbで表わす丈で電力の比較を行う事が出来ます。P-2はA.C10V及び50Vレンジからdb値を求める事が出来ます。我が国の基準によって0db=AC 0.775Vを電圧比較の基準として−20db〜+36db迄がスケール上に表わされております。従って600Ωのインピーダンスで接合されているアンプではメーターの読みからその 儘出力としてのdb値が求められる訳です。(基準は0dbが1mW故に回路インピーダンス(負荷)が600Ωなら電圧値に換算すると0.775Vになる)またインピーダンスが統一されていない時のdb値は単に電圧比較のdb値となりますから入力と出力の関係を各々db値で求める事が出来ます。
  P-2型はA.C10Vレンジの内部抵抗が10KΩでありますから600Ω回路の時はテスターをつなぐ事によって生ずる損失は全く問題になりませんがそれ以外のインピーダンスのアンプではテスターの内部抵抗10KΩを充分考へながら使用する必要があります。出力が大きくA.C10Vレンジで指針が振り切れる時はA.C50Vレンジに切換えdb値を求めます。出力が更に大きく50Vレンジでも指針が振り切れる時は上のレンジへ切換え50Vレンジのdb値に次の値を各々加算します。
A.C 250Vレンジでは 50Vレンジのdb値に +14db
   500V             +20db
  1,000V             +26db


【おまけ】
実はこのテスターの裏蓋は頑丈というか、鉄板を絞って箱型に成形しています。
磁気シールドの効果を考慮しているのだろうと思いますが、その止めビスの片方が紛失していました。
いま注文を掛けているところです。
2.3mm×2.5mmのミリネジです。
三和電気計器にネジのサイズを問い合わせると、余りに古すぎて現物もなければ部品もないそうです。回路図はあるとのこと。
手持ちの2ミリのビスでは合わないが・・と告げると『ネジのサイズは2.3mm』だと教えていただきました。
ご親切な対応、ありがとうございました。

そのビスですが、
2mmとか2.6mmだとホームセンターでも置いてありますが、2.3mmはどこもありませんでした。
一般的でないことがわかります。
で、ホームセンターで紹介された店ならあるかもしれないと問い合わせたところ、
取り寄せて貰えるとのことで、しかも1本でもバラ売りしてくれることに驚いています。
1個4円を4つ売っても商売にならないと思いますが、そこがプロショップたる所以でしょうか
取り寄せまでして売ってくれるそうです。感謝。

「ホダカHODAKA」さんにまもなく入荷する予定です。

プロショップ・ホダカ PRO SHOP HODAKA
HODAKA2_s.jpg
to be continued

【ビス入荷しました】 2015.4.8
もともとのビスの長さ3mmですが、同じのがなく、4mmを注文。
これだとわずかに長いので削ればいいですが、そのままでも実用上問題ありません。
これで裏蓋も外れなくなります。
ミリネジ 2.3mm×4mm
23_4mm.jpg

2.3mm×4mmのミリネジを、目立てヤスリで1mmほど削って短くし、取り付けたところ。
SANWA_P-2_05.jpg

【関連ページ】
■ 三和電気計器 SANWA P-2 1963年製 --> こちら
■ 三和のテスターKIT-8D 〜圧電ブザー(電子ブザー)を取り付け、完了 --> こちら
■ 三和のテスターKIT-8D 〜圧電ブザー(電子ブザー)を取り付けてみよう --> こちら

 ショットキーダイオードでうまくいきました。
■ 亜酸化銅整流器の代替え、BAT43で実用上OK 〜三和電気計器 U−50DN --> こちら (ブログ)
■ 亜酸化銅整流器を飛ばしてしまった・・ 〜三和電気計器 U−50DN --> こちら (ブログ)
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