2012.1.5 2011.12.29 2011.12.26初版

PM-790PT インクが出ない ・・・分解してヘッドクリーニング 成功

【 追記:インクジェットヘッドのノズル再生状況 すべてのノズルが復活した。 】追記記事

ほかのページへのリンク:
■ 一年間放置、プリンターのインクが出ない 〜エプソン PM-790PT  (ブログ) 2012.12.25
■ PM-D800 インクの詰め替え実験   エレコムTHE−32KIT (ブログ) 2008.8.13
■ PM-740C インクジェットプリンターの目詰まり解消 (ブログ) 2007.11.16
■ 使ってもないインクがなくなるわけ エプソン・インクジェットプリンター (ブログ) 2006.12.2
■ PM-D800 エプソン本社修理センターより電話があった (ブログ) 2006.11.25
■ PM-600C/PM750C インクが出ない ・・・腕ずくヘッドクリーニング 2006.1.4
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一年間使われずに放置されたプリンターを分解。詰まったインクを溶かしてみる。
ここでは、ヘッドをそのものを外すことはせず、いつもの方法でヘッド面をアルコールで溶かしてみようという手抜きのクリーニングである。

【 分解方法 】
このプリンターも他のプリンターと同様に、いかに分解できるかがポイントになり、分解できれば仕事は終わったも同然である。
あとは、次に掲げるいつもの手法でヘッド面をクリーニングがてら固まったインクを溶かしてゆく。あまり使ってないプリンターであって、ピエゾ素子さえヘタってなければ回復する可能性はかなり高い。
 参考:  PM-740C
       PM-600C/PM750C

@ 上蓋は後ろの3本のネジと、前面の扉を開けたところにある2本のネジと、前面の左右にある嵌合で固定される仕組み。

後面3本のネジ
PM-790PTscrew1.jpg

扉を開けたところの2本のネジ
PM-790PTscrew2.jpg

A 次は、嵌合を外す。
  向かって左の嵌合はそれ程の困難もなく外れるが、右側の嵌合がなかなか外れない。めげそうになるが、外れるまでやってみる。

その前準備として、電源を入れ、立ち上がったら、前面にある一番左のボタンを押してヘッドを中央まで移動させる。
PM790PT_button.jpg
ヘッドが移動したことを確認して、電源スイッチを押さずに、電源コードを抜く。
これをやっとかないとヘッドを左右に動かすことができないので、必須の準備である。

 上蓋とボディの隙間にこじ開け工具(時計の修理で使うもの)を差し込んで、かつ嵌合を外すべく内側に右手を突っ込み、外側に押し出すように爪の部分を指で押し。こちらの左側はそれほど無理もなく外れる。

PM790PT_1.jpg

この爪が、上図の左側の嵌合部に嵌り込む。この爪も少し削ったほうがハメるときにも外すときにも楽になる。
PM790PT_5.jpg

B つぎにヘッドを一番左へ移動。(右側にあると左手もはいらず邪魔になるから)。

C 右側の嵌合は厄介である。
左手を突っ込んで、指で爪の部分を外へ押し出すように外すが、これがなかなか外れない。外れるまでめげずにやるほかない。

PM790PT_2.jpg

この爪が、上図の右側の嵌合部にはまり込む。
PM790PT_4.jpg

上蓋の裏側には基板がありケーブルが伸びているので、ケーブルを傷つけないように注意!
差し込みはきつくないので無用に壊すことはないとは思うが、注意したことに越したことはない。
また、この上蓋についている基板はヘッドのクリーニングやテスト印刷には影響がないので、ケーブルが抜けたままでも問題なく実行できる。
PM790PT_6.jpg

ヘッド面を覆うキャッピング。 この周りは汚れているのでキムワイプを湿らせて綺麗にする。
ヘッド面をクリーニングする方法は、
    PM-740C
    PM-600C/PM750C
を参考にされたい。まったく同じである。
PM790PT_7.jpg

この白いプラスチック(ヘッドロックする棒)が矢印方向へ動いて、ヘッドをキャッピングポジションで固定する。
PM790PT_8.jpg

【 荒技で使う注射器 】
チャンバー内で頑固にインクが固まっている場合は効果が期待できるが、荒技なので自信がなかったらやらない方がいい。
PM-790PTsyringe.jpg
まずインクカートリッジを取り出し、目的のインク色を確認し、ヘッド側のインク取入口にこの注射器のゴムチューブを差し込み、直接アルコールを注入する。
ゆっくりゆっくりと、このアルコールで固まったインクを溶かすんだというイメージで、すこしづつ。
※※ ヘッド面のノズルからインクがでてくるので、予めキムワイプを畳んで下に敷いておく。そこに吸わせるように準備。キャッピングポジションでこの作業を行うことは、当然である。

   ※ アルコールをこの注射器で吸ったら、上に向けて空気を捨てるのがポイント!
      気泡をヘッドのチャンバー内に入れたらなかなか抜けず、無駄なクリーニングで多くのインクを捨てないといけなくなるので、要注意である。


【 インクジェットヘッドのノズル再生状況 】

● 前日まで、アルコールマスクを掛けていたがYellow とCyan が出ず、この方法では頑固にインクが固まっているだろう状況には限界だとみて、
   上図の注射器で直接アルコールを注入した。

2011.12.28 その後の最初のクリーニング印刷結果。
インクがアルコールで薄まっているのではっきりしないがYellow が出始めた。薄いMagenta が逆に出なくなったが、これは後で良くなるはずなので無視。
PMT790PT111228-1.jpg


●アルコールで薄まっていたCyan の一部が出始めた。Magenta などがでなくなったが、これも後で出てくるはずなので無視。
PMT790PT111228-2.gif


● 懸案となっていたYellow が完全にでてきた。まだアルコール分があるので薄いけど。 この辺まではクリーニングの効果がよく出ている。やる意味があるということ。
PMT790PT111228-3.gif


● 3番めのクリーングからわずか改善されたがそろそろクリーングの限界。Yellow もCyan も薄まっていたのが本来の色になってきた。
   時間を置かずにこれ以上引き続いてクリーニングを掛けてもインクが無駄になるだけであり、インクを捨てた分だけの効果は出てこない。(これまでさんざんやってきた経験則)
PMT790PT111228-4.gif

● 最後のクリーニングを済ませ、上蓋を閉じた。その時の印刷結果。
まだこの段階でも、数本出てないが、おそらくチャンバー内に残っている小さな気泡だろうから、丸一日放置しておけばインク内に溶け込む可能性があるので、
これ以上インクをクリーニングを連続させても無駄に捨てるだけになることは見えているから、このまま一日寝かせることにする。
PMT790PT111228-5.gif


● 最終チェック 2011.12.29。
丸一日寝かせただけで、なにもせず電源オン。
完璧にすべてのノズルが復帰している。大成功!

予想どおり、チャンバー内に残っていた小さな気泡はインクに溶け込んだと思われ、完璧な印字ができるようになった。

わずか数本しか出なかったプリンター。
一旦は粗大ゴミとして捨てられてが、ここまで復活した。
ピエゾ素子はへたってないだろうから、数年ぐらいは使えるだろう。 PMT790PT111229.gif
その後も安定して出ている。これで完全に回復できた。2012.1.5

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