2011.12.30 2006.11.24初版

PM-740C インクが出ない ・・・分解してヘッドクリーニング 大成功

【 管理人よりご挨拶 】

むさ苦しいページにお越し下さり、ありがとうございます。

このページは、目づまりしたプリンターを目の前に、サービスに出すには料金的にちょっとぉ・・・と考えておられるおかた向けに書いています。
できればなんとか自分でヘッドを復活させられないかという要望もあるだろうということで、ノウハウ などを掲載しているものです。

これまでにトライしたプリンターはPM750、PM740C、PM600C、PM-D800です。キャノンも1台。
エプソンの場合、ヘッドや本体側の大まかな構造は基本的に同じですので、やることは同じです。なので他の機種でも応用できるであろうという意味も込めています。

きょうびプリンターが安く売られていますから、高額のプリンターは別として一万円も掛けて目づまりのためにサービスに出す合理性はないと思います。それなら捨てる前に分解して、うまく再生できたら儲けものというスタンスで取り組めば、新しい発見があるかもしれません。
どの機種にも言えることですが、上蓋を開けるのが最大の難関になると思います。ヘッド自体の再生よりずっと難しいですが、嵌合の仕組みを試行錯誤の中で見つけて外すことができたら、作業の9割は終わったも同然と考えています。

ただ、なんどインク交換したかわからないほど使い倒したプリンターの場合はヘッドのピエゾ素子がヘタっていることが想定されますから、その場合はこの方法は意味がありません。
高いプリンターならヘッド交換もありでしょうし、廃棄&新規購入という判断になるでしょう。


                                                              2011.12.30
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ほかのページへのリンク:
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かなり重症でも「なんとかなるものだ」と、やってみてわかった。 結果は大成功である。
だめなら捨てるか、エプソンに修理に出すかの覚悟を決めれば、後はそう難しいところもないのでだめもとでトライするのはDIYでやってみたい向きにはやりがいあると思う。
このPM-740C で一番骨が折れるのはヘッドクリーニングでもなく、意外にも上蓋(トップカバー)を外すことかもしれない。

途中経過 その後
ヘッド面にアルコールのマスクを当てた後のテストサンプル。だいぶ出るようになった。
一番最初のテストプリントはほとんど歯抜けで、クリーニングを一回掛けたが改善が見られなかったので、すぐにあきらめた。
これはエプソン特有のヘッドの仕組みからくるもので、クリーニング時にはびっくりするほどの多量のインクを捨てて無駄になってしまい、しかも改善する気配がなければそれ以上何回やってもだめで、「高価なインクをいっぱい使ってくれてありがとう」と、エプソンを喜ばすだけに終わるので自動クリーニングにすぐに見切りをつけることがとてもポイントになる。
左の状態のまま、インクカートリッジをはずしてそれぞれ各色ごとのヘッドに刺さる穴の中に注射器でに一滴アルコールをたらしてそのままゆっくりとカートリッジを元にもどした。注射針でないとうまく入らない。また表面張力が効いてるので、そおっと元に装着すればインク液がこぼれることはない。
ヘッドをキャッピング位置にもどしてそのまま数日放置した。
なにもせずに最初に出したテストプリントである。
まだうっすら濃淡が見えるがノズルの詰まりは解消された。

このプリンターも長らく放置されていて、ヘッドクリーニングをしても歯抜け状態の目詰まりが解消しなかった。ある時点でかすれが発生したが解消されなっかたのでそのまま放置された(少なくとも1年以上?)ようで、誰も事情がわからず見捨てられたかわいそうなプリンターであった。

このような状況では通常のヘッドクリーニングを何回やっても駄目で、手も足もでない。すでにトライする覚悟は決めたのでさっそく分解してクリーニングを試してみる。その成果をみてメーカに修理にだすかどうかを考えることにした。

このプリンターはまともに印刷してなかったのでヘッド内部のピエゾ素子(圧電素子)はへたってないと考えられ、復活するだろうと予想していた。
力ずく?といっても精密なヘッド面をクリーニングするので、ホコリは厳禁で、堅い金属をヘッド面に当てることは御法度である。慎重に、かつ丁寧に扱うことは基本である。

ここでは、特殊な工具は使わないし、手間も最小でできることを目標にしてヘッドの復活をもくろんでいる。
ポイントは、ヘッド内のインクの粘性が上がったり、最悪ノズルが乾いてインクかすで詰まったものをアルコールで溶かしてノズルを貫通させてやろうというものである。

【 道具類 】
・できるだけ先が薄く、長いマイナスドライバー ・・・上蓋を開けるときに、7箇所の爪を浮かせてこじ開けるのに使う。爪の先端とケースの隙間に突っ込むので厚いドライバーだと役に立たない。
また、そのドライバーも一直線ではなかなか先端がうまく爪の隙間に入り込まない。できれば先が1cmぐらいのところで孫の手のように少し曲がっているとすんなり爪の隙間に到達できる。
・上のドライバーに代わるものとして薄く幅広のピンセット ・・このように長く先の薄い丈夫な鋼のようなものがあれば楽になる。

実はこんな工具があればいいが、一般的ではないのでご紹介まで。
IC引き抜き工具AMP58113-1-D 11ミリX81ミリ 先がすこし曲がっているがこれがちょうど爪に隙間にあたる。
IC引き抜き工具AMP58113-1-D

・一般的なピンセット     ・・・・いろいろ掴め、あれば何かと重宝し手も汚れずに済む
・アルコール    ・・・・無水エタノールが最適だがこれなかなり高いので消毒用アルコールで代用(ともに薬局で売っている)ちなみに燃料用アルコールは安いがメタノールが76%、エタノールが20%となっていてメタノールは水との親和性が悪いのでヘッドクリーニングには不適切。
・キムワイプまたはキムタオル    ・・・・毛羽立たない紙で他のメーカ品でもOK(十条キンバリー製で薬局で売っている)。
くれぐれもティッシュぺーパーは使わないこと。毛羽立ち、却ってヘッドの目詰まりの原因を作ってしまうかも知れないので・・・・
180円ぐらい

白っぽい着衣は厳禁!! ・・・インクは染料なので、付着したら洗っても落ちないから

【 分解手順 】

まず、電源を切って、電源コードも抜いておく ・・・分解にあたり、基本中の基本である

下図の写真では見えないがペーパーの左端をそろえるガイドを一番左端までスライドさせておくこと。・・・ポイント
作業終了後に上蓋をはめ込むときにもこれが左端になってないと邪魔されてはめ込めないので、すんなりいかないときはここをチェック。


上蓋は7箇所の爪だけではまっている。ねじは使われてない。
どの爪も底からとか目で見えるのでどのように引っかかっているかを理解してから、ゆっくりと丁寧に少しずつこじ開けていけば外れる。
順番としては後ろの3つをはずして次に左右の2つ、最後が前面の2つとなる。
やり方としては二人いたほうがいい。一人が後ろの爪を少し押しながら、もう一人が少し隙間ができたらそこへ薄いドライバを突っ込み徐々に隙間を広げてゆく。
すこしづつやれば爪が折れることもない。

後ろが完全に浮いたら次は左右の爪だ。これは一直線のドライバでは爪の隙間にドライバーの先がとどかない。ちょっと先1cmぐらいのところでカーブしてないと難しい。これ以降も作業を分担して隙間を少しずつ広げる人と爪を浮かせる人に分けたほうがスマートにゆく。息があってないと却って難しくなる(笑)
前面の2つはさらに難しい。薄いピンセットを使ってはずした。

上蓋を取るときに後ろのUSBコネクタの金属のところに上蓋の一部が引っかかって取りにくいので、引っかかりを外しながらやればスポットとれる。





ヘッドのキャッピング付近の写真。電源を切るとヘッドは左右に動かないように機械的にロックする。
そのロックは下図の白いプラスチックのノブが手前に飛び出てヘッドが動かないようにしている。
電源を切った後で、電源コードを抜く。
つぎにノブのうしろに白い歯車があり、動きは硬いがちょっと回るとノブが引っ込みヘッドが左右に動くようになる。


【 クリーニングの方法 】
ヘッドおよび、キャッピングのクリーニングは「PM-600C/PM750C インクが出ない ・・・腕ずくヘッドクリーニング」のページと考え方とか要領は同じである。
そちらを参考にしていただいてもいいが、念のため簡単にメモしておく。

上図のヘッドキャップの周りが真っ黒く汚れているので、キムワイプに水を湿らせて少しずつクリーニングする。

洗い流す感じで・・・
キャップのなかにスポイトなど水を一滴ずつたらして、キャップ内を洗い流す。・・・あくまでもすずめの涙。どうせすぐに汚れてしまうのでコテコテについていたインクかすを溶かすという程度に抑えること。廃液タンクがあふれたらそれも大変なので。
ついでにキャップの左にヘッド面をぬぐう小さなゴム状のワイパーも汚れているのでキムワイプに水を湿らせて拭い去る。
ピンセットを使えば手が汚れるのを最小にできる。

ヘッド面の汚れ、インクかす
ヘッドノズルの詰まりがひどかったら 、キムワイプを小さく切ってアルコールを湿らせてキャップの上に置いて、そっとヘッドを右端まで移動させて、 キムワイプがちょうどヘッド面をアルコールでマスクをする格好にする。後は気長に一日ぐらい放置してインクかすが解けるまで待つ。
この手順を2〜3回ほどやって、テスト印字をしてみる。エプソンのプリンターはヘッドクリーニングとか電源オン時に多量のインクを捨てるのでヘッドクリーニングは必要があるときだけに限定したほうが無駄がない。

準備する物・やり方
数滴の水をちょっとずつ垂らすことができるスポイトとか、注射器などが必要。ほかにも代用できるものがあればなんでもよいが、たまたま手持ちがあったのでこれを使っている。


細心の注意をもって、あふれないようにキャッピングにスポイトなどで水をたらす。一滴ずつ・・・
このキャッピングの下には廃液が流れるチューブが付いていて、その先は大き廃液タンクにいっている。通常のヘッドクリーニングで排出された廃液がキャッピングからあふれ出すのを防ぐために、流れ出る仕組みが作ってあるのでそれを使う。
もし何かの理由でその廃液チューブなどが詰まっていることもあるので、す〜っと吸い込まれていく気配がないとこの方法は使えない。その場合はチューブなどをクリーニングするということになるが、かなり分解しないとならず、元に戻せない危険もありお勧めできない。

二回、三回やれば廃液がす〜っと流れていく様子がわかるので、あふれ出す手前で水を垂らすのをやめるコツが分かる。これを何回かやるとみるみるうちにきれいになることがわかる。すぐに汚れるのでカスをとる程度にとどめておくこと。やりすぎると廃液タンクがあふれるので注意。

【 次回の分解時に楽にできるように、下図のように少し斜めに削っておくといい 】
写真では見にくいかもしれないが、爪の形をよく見てドライバーなどが入り易い部分を確認してから削ると、次回分解するときに楽になる。
前面の2箇所と側面の2箇所の爪が削る対象になる。 先のとがったカッターで容易に削れるが、あまり削りすぎるとその部分の強度が落ちて、真ん中にヒビが入るので要注意である。




★参考にさせていただいたサイト:
● 究極のヘッドクリーニング
●『とべっ!動物園』さんのhttp://hp.vector.co.jp/authors/VA004478/pm750c/

サイトのご紹介
● プリント向上委員会・・・プリントコストを節約、快適化を追求しているサイト
● HP5740インク連続供給 ・・・プリンタメーカも驚きの研究心と技術力に脱帽
● 『好きと×4言いなさい この場で!!』さんの EPSONプリンタ修理 ・・・洗浄で復活例と廃インクカウンタリセットのソフトの紹介
● 『Kuniのもろもろブログ』さんの エプソン PM-870C 廃インクカウンタのリセット(纏め) ・・・・使用方法が詳しく書かれている

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白バイは“黒バイ”か
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バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。
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    ■ 耐震偽装はこちらです --> まとめページをアップ   2006.10.20
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