1974年発売,\29,800(1台)■ コーラル CORAL E-88 ヘッドバンドが折れたので代用品を改造して作る --> こちら
E-212Aの画像
解説
スリット方式とツインドライブ方式を採用した2ウェイスピーカーシステム。
スリット方式ではウーファーユニットの前面にスリットが設けられています。このスリットの効果によって波面が球面状となることで指向特性を改善しており、1kHzでも殆ど指向性がつかず、ブロードな特性を得ています。
E-212Aではツインドライブ方式を採用しています。
この方式では、2本のウーファーユニットはコーン紙・ボイスコイルをはじめ振動系各部の材料が若干異なり、foやQoを含めた周波数特性やインピーダンス 特性を微妙にずらしています。さらに、キャビネット内部に設けたテーパー付き仕切り板によって内部干渉を防ぎ、ネットワークも2本のウーファーそれぞれに 専用の回路が設けられています。
これらの構造によって、従来の同一ユニットパラレル駆動の欠点が改善されています。
低域にはハイコンプライアンスタイプの16cmコーン型ウーファーを2種類搭載しています。
コーン紙にはヤング率が高く分割振動が起こりにくい外国産針葉樹材の長繊維を採用し、新開発のエッジによりウーファー振動系の軽量化とリニアリティの向上 を図っています。また、ダンパーにも合成が高く大振幅にも対応できる合成繊維を採用しています。
高域には2.5cm逆ドーム型トゥイーターを搭載しています。
このユニットには内周駆動・逆ドーム方式を採用しており、凹面を前面に配しボイスコイルを振動板の中ほどに取り付けた構造となっています。これによりロー リング現象が抑えられ低域動作が安定しています。また、特に振動板自体が柔らかい場合に高域で起こりがちな分割振動による特性上の劣化もありません。さら に、振動姿態をレーザーで観察して最も効率の良い駆動点を選択しているため、ホーン型に近い高能率を実現しています。
振動板には厳選された外国産パルプを採用しています。
エンクロージャーはは硬質パーチクルボードを使用しており、内部はテーパーによって17リットルと11リットルに分割された密閉構造となっています。
また、外観は白木調のセン仕上げが施されています。
内部構造
周波数特性
機種の定格
方式 2ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 使用ユニット 低域用:16cmコーン型×2
高域用:2.5cm逆ドーム型再生周波数帯域 30Hz〜20kHz 最低共振周波数 60Hz 最大入力 40W 定格入力 20W インピーダンス 8Ω 出力音圧レベル 91dB/W/m クロスオーバー周波数 1000Hz エンクロージャー内容積 28L(17L/11L分割) レベルコントロール 高域用 外形寸法 幅305×高さ550×奥行264mm 重量 13kg