++ ACアダプタ12v 500mA、NovAtel Commuinications 420AG41321分解と実負荷テスト ++


2016.11.13初版

ACアダプタ12v 500mA、NovAtel Commuinications 420AG41321分解と実負荷テスト

 このACアダプター、
内蔵のトランスがひょっとしてセンタータップ付かもしれない・・?
という仄かな期待があり分解してみたが、予想が外れ、単巻トランスだった。
かち割ったところ、トランスの鉄心が溶接してあることに唖然!!

E core and I core are welded !!
 NovAtel Commuinications 420AG41321(12v 500mA)
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420AG41321_02_s.jpg


「あまり性能は期待できないな」と、諦めムードとなった。

 分解に際し、ケースをかち割るのがとても難儀だった。(これまでの最悪事例)
それというのも、
ケースが執拗に接着されていて、ノコギリを持ち出さないと開腹は無理だった。
なんでそこまで頑強に接着しなければならなかったか?

ひょっとしたら、内部のトランスの溶接を見られたくない・・・
という思いが、ケースの接着をガチガチに走らせた、とみえなくもない。

※トランスのコア組み立ては完全な手抜きであって
珪素鋼板のEIコアーを交互に重ねるのではなく、
あらかじめEコアーとIコアーを固めて塊にしておき、
その2つの塊が離れないように、
あろうことか溶接でつないである。

 こうすれば、一枚一枚ケイ素鋼板を差し込みながら組み立てる通常の方法とは違い
 あっという間にEIコアを組み立てられるので、極端なコスト削減にはなる。
ところが、この禁断の手抜きをやってしまうと、
トランスが本来もっている機能を大きく失うことになるし、
トランスメーカーとしての技術が否定されてしまい、勿論、信用はなくなり、
たとえ製品として市場に出してもそんなモノ売れない。
こんな愚かなことはどこのメーカもやらない。

 「MADE IN JAPAN」と表記されている、メーカー名が不詳。
 25v1000μF電解コンデンサーは「マルコン電子株式会社(日本ケミコンに吸収)」
これは日本製だが、トランスメーカーとともに組み上げたメーカーがわからない。
 
「かち割らない限り発覚することはない・・・」
と踏んで、このようなことをやっているのだろうか・・。

 鉄損による発熱も増え、効率が悪くなり定格の電流は取れないと想定される。
 
そこで、実力を確認すべく、実負荷試験を行ってみた。
負荷には22Ωをつなぎ、電圧を測って負荷電流を計算。
0.46Aが流れると10.08vまで電圧が低下し
スペックの12v500mAにはほど遠いことがわかる。

【特記】
  ※1.100v側の1次巻線には絶縁テープも巻かれていない。
  ※2.加えて、加熱防止のヒューズも実装されていないので、105℃1Aの温度ヒューズを追加した。


NovAtel Commuinications 420AG41321 12v 500mA  クリックで原寸大
420AG41321_s.jpg


【回路図】
NovAtel_Com_420AG41321.gif

実は、鉄心を溶接するトンデモな手抜きトランスの事例は、他にもありました。
■ シャープ ACアダプター EP-V80 分解 --> こちら

【おまけ】
カチ割り工具

カチ割り工具2
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